ACEホテルのオーナー:Alex Calderwood(アレックス・カルダーウッド)

by Yukari Iki

アレックス・カルダーウッド。
彼は2009年に4館目となるエースホテルをニューヨークに立ち上げたホテルのオーナー。
自身をホテルオーナーではなくカルチュラルエンジニアと呼ぶ彼は、今となっては4都市に及ぶエースホテルを足蹴に通うべく飛行機を電車のような感覚て各地を飛びわたる生活をしている。

彼はエースホテルのみならず、neverstop(ネバーストップ)というPRブランディング会社や、Rudy's Barbarshop(ルーディーズバーバーショップ)という床屋ブランドのオーナーをもつとめる人間。
neverstop
http://www.neverstop.com/
Rudy's Barbarshop
http://www.rudysbarbershop.com/

彼がこれらを手掛けるに至るまで、どのように日々を歩んできたのであろうか?

【neverstopの始まり】
彼はシアトル生まれシアトル育ち。学生時代に学業を投出し各国をまわり様々な人々との出会いに遭遇する。その旅を終えた後、シアトルに戻ってきた彼にお声がかかった仕事は小さな小さなスポーツブランドの企画&ブランディング。彼のブランディングのやり方や成果が認められ、多くのブランディグ業務が入るようになっていったため、仲間と共に、いつの間にか形として会社になったのが”neverstop”。今でも多種ジャンルの企業ブランディングを手掛けるチームとして活動をしている。

そのスポーツブランドの仕事をしているさなか、多くのパーティーを毎週企画し開催することで、企業ブランディングで出会う人々とは毛並みの違う各国の多ジャンルの人々と交流を深める時間が今の彼の人となりを形成している。

【Rudy's Barbarshopの始まり】
そんな風に「人に出会う運」に恵まれている彼が、Rudy's Barbarshopを手掛けることになったきかっけは:
Chateau Marmont, The Mercer, The Standard Hotel等々ホテル・オーナーとして知られるAndre Balazs(アンドレ・バラス)との出会いだった。
その頃のRudy's Barbarshopは今の雰囲気とは全く違う、「おじいちゃんの散髪屋さん」「街の簡易散髪屋」にしか見えない店構え。なのにも関わらず目の前をとおったアンドレは、その姿形に惚れ込み、アレックスに「その床屋をリニューアルし、The Standard Hotel内にお店をオープンしてみないか?」というお誘いをうけることになったのだそう。

その後、多くの企業よりRudy's Barbarshopの多店舗展開のお話をいただくものの、すれら全てを断った。「今の流行」や「誰々がかっこいいって言ってたからかっこいい」「今のカルチャー」としての成長よりも、ある場所をつくってより商品や理髪店の魅力を理解してもらいやすいような場所を企画する方が、よりカルチャーとして根付きライフタイルとして定着するという信念が揺るがないが故なのだそう。

【そしてACE HOTEL】
エースホテルの一号館をシアトルに1999年にオープンした後、続いてポートランド。そしてRudy'sの多店舗展開を断った彼は、代わりに今年2月にはパームスプリングスと5月にニューヨークをオープンさせた。

未だポートランドを拠点に企業のブランディングを行うneverstopの仲間、
そして西海岸全域で17店舗のRudy's Barbarshopを展開する仲間もいる。
それら二つのチームの活動やコネクションを集結する場所であるエースホテルの全てをAtelier Aceのチームが同じくポートランドで、しっかりと、アレックスの飛び回る活動やアイデアや出会いを取りまとめている。
それがカルチュラル・エンジニア。

[ゼロから新しい何かを作り上げて打ち上げる]のではなく、Rudy's Barbarshopにしかり、ACE HOTELにしかり、古くなってしまったブランドに新しい息をふきこんで、[あるものをどう活かし再度輝かせるか?]が得意な人なんだと思う。それはモノや建物にたいしても、人やブランドに対してももそういう姿勢は一貫している。

その一貫した哲学を最近しみじみ感じる。
こちら側がアレックスに様々な企画を提案し「YES」と言わせるには、自分がどれあだけ賢く提案できるか?が大きなキーになる。その「キー」を絞り出さない限り1ミリたりとも思わせぶりな共感は示してくれない…。ただただ淡白に&物腰柔らかに質問攻めしてくるばかり。
「なんだよアレックス…、物腰柔らか風に言うくせに、結果的に内容は分からず屋だな…。さあ、どう説得できるか?私…」と思ったら最後、それは彼の無意識のうちにいつも仲間達にかけている魔法なんだと思う。
一度「YES」と言わせたその時には「YES」と言わせた理由が分かるくらいの要素をいつの間にか自分が彼らに提出しているコトに気付く。彼の誘導によって、お互いのアイデアが盛り込まれ削除され盛り込まれ削除されを繰り返し、結果スリムでベストなアイデアに落ち着く。そして、賢く提案できる自分に成長&輝かせてくれるような、そんなマジックが彼にはあるように思えてしまう。侮れないヤツだけど、お互いが刺激しあい成長できるという種類の人間。だから人はついてくるのであろう。

人に恵まれ、人やモノを継続して大切にし、人一倍動く。
そしてパートナーや仲間の意見を一番に尊重し、人一倍決断力があるアレックス。
今後も急がず焦らずマイペースに、定着するライフタイルを彼と彼の仲間なりの視点で提案し続けていくのだと思う。